• ホーム
  • 女性の体とエストロゲンの関係について学びましょう

女性の体とエストロゲンの関係について学びましょう

エストロゲンとは女性ホルモンのひとつです。
思春期の頃に卵胞が成熟しだすと分泌量が増加し始め、このエストロゲンの作用によって女性の体つきはより女性らしくなっていきます。
乳房内の乳管が発達し、子宮内膜の増殖や肥厚が起こります。
子宮頚管の粘液は分泌が亢進し、粘度は上がるため受精しやすい体つきになっているとも言うことができます。

また、膣の上皮を厚く頑丈にすることが可能であるため、十分量のエストロゲンは性感染症に対しても耐性を発揮するためにも必要なものです。
口腔内並に常在細菌が豊富な膣、という器官はそれだけ感染症のリスクに晒され続けている、ということが言えます。
膣や子宮頚管に感染症を生じた場合、その炎症が子宮体部や卵管に波及することによって不妊の原因になる場合があります。
性感染症の予防は女性にとってとても重要なのです。

生殖器以外にもエストロゲンは作用し、様々な効果を発揮します。
骨はエストロゲンの作用によって骨密度を増し強度を高めます。
血管は動脈硬化に対して抵抗性を示し、血管が拡張することによって末梢の血行が改善するために、冷え性などの末梢の循環不全が改善する場合があります。
また、抗凝固能を示すために脳梗塞や心筋梗塞のリスクを引き下げることができ、女性の体の健康を総合的に維持することが可能なのです。
血中のLDLコレステロール、つまり悪玉コレステロールを減少させることが可能ですので血液はサラサラ状態になります。

反面、エストロゲンは子宮体癌の発生を助長するという研究結果が示されています。
子宮内膜の増殖や肥厚が頻繁に起こることがリスクとなるため生じるもので、エストロゲン単一の過剰分泌は良いことばかりではない、ということを念頭に置かなくてはなりません。
エストロゲンと逆の反応を示すプロゲステロンというホルモンとのバランスが重要なのであります。
市販のホルモン剤ではこの二種のホルモンを割合を調整しながら補充することにより子宮体癌のリスクをむしろ引き下げる効果があります。

エストロゲンの分泌量が少ないとどうなるのか?

閉経などを機に、エストロゲンの分泌量が大きく減少してしまうことにより、それまでエストロゲンの分泌に依存して維持されてきた身体機能の一部が障害されるため、急激に体調の悪化を示すことがあります。
一般に更年期障害、と言われている病態ですが、これはそれまで卵巣で着々と産生されていたエストロゲンの産生量が激減することが原因です。

エストロゲンの産生は卵巣のみに依存しているわけではなく、脂肪組織からも微量ながら産生されます。
しかし、それは卵巣に対して非常に少ない量しか産生できず閉経によって急激に産生量が減少したエストロゲンの補填を行える程度のものではありません。
しかも年齢を重ね脂肪組織そのものが減少してくるとその微力な補填さえ失われてしまいます。

エストロゲンの欠乏症状でメジャーなのは頭髪の抜け毛です。
男性ホルモンであるアンドロゲンをエストロゲンに変換する機構が働かなくなるために男性ホルモン過剰となり、抜け毛を生じます。
他にも、これまでエストロゲンで保たれてきた骨密度が低下して骨粗鬆症となり骨折しやすくなったり、末梢の血行動態が障害されるため冷え性が進行したりするなどの健康症状が急激に現れます。
中枢神経に働いて睡眠を補助していたエストロゲンの作用が失われますので睡眠障害、やがてうつ状態を示すことも少なからずあります。

こういったエストロゲンの欠乏症状は、ホルモン製剤によって外的にエストロゲンの補充を行うことによって改善されます。
薬剤の使用に抵抗がある人は、外因性女性ホルモンであるイソフラボンを摂取することでも微量ながら改善する可能性があります。
イソフラボンは大豆などの食品に含まれていますので更年期障害に苦しんでいる方であれば気を付けて摂取してみるのもいいでしょう。